Greetings
ご挨拶
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桐山 孝司 Takashi Kiriyama
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東京藝術大学大学院映像研究科長
大学院映像研究科メディア映像専攻教授
2024年度ゲームコース展の展望
GEIDAI GAMES 06の開催にあたり、今年もゲームコースの学生による多彩な作品が発表されることを嬉しく思います。本展では、修了制作や一年次作品に加え、学内外の共同制作プロジェクトの成果も展示され、ゲームコースの広がりを感じて頂ければと思います。
東京藝術大学では、ゲームを芸術表現の一形態として捉え、その可能性を探求してきました。近年、ゲーム制作の技術と表現が美術、音楽、映像、演劇などと融合し、新たな芸術の形が生まれつつあります。今年度の展覧会は、ウェブサイトでプレイ可能なメインビジュアルのゲーム化という独創的な実験や、展示作品においてもインタラクティブな物語表現や身体性を活かしたゲームなど、新たな試みが見られます。
また、生成AIの発展がゲーム制作のプロセスを変えています。昨年度の展示でも、プログラミング支援や音声認識インターフェースなど、AIを活用した作品が見られました。一方で、AIを活用しながらも作家性やオリジナリティをどのように確立するかが課題となっています。ゲームコースでは、AI時代のゲーム制作の可能性を探求していきます。
さらに、国際的な連携も強化されています。南カリフォルニア大学(USC)との共同プログラムでは、日米の学生が協力しながら制作を進め、異なる文化的背景を持つクリエイター同士の対話を深めています。今後も、より多様な国際的パートナーとの交流を通じ、グローバルな視点からのゲーム表現を模索していく予定です。
ゲームの表現や制作方法は日々変化しています。ゲームコースでは、技術革新と芸術表現の両面を探求し、新しいゲームの形を模索し続けています。本展が、ゲームの可能性について考え、未来の創作につながる場となることを願っています。 -
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岡本 美津子 Mitsuko Okamoto
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東京藝術大学副学長
大学院映像研究科アニメーション専攻教授
アニメーション専攻ゲームコース
2019年から現在に至るまで、東京藝大は大学院映像研究科アニメーション専攻とメディア映像専攻でゲーム研究ゼミ(通称ゲームコース)という小さなゼミを開講している。私は同僚の牧准教授とともに、アニメーション専攻側のゼミに関わっている。そこではゲームの学生であったとしても、アニメーションや映像全般を教えるカリキュラムが実施されている。
まず、彼らはアニメーション専攻の専門的な入試を受験、入学後の修士1年次の前期は、同分野を徹底的に学ぶ講義や、平面アニメーションや立体アニメーションに関する実践的演習をがっつり受講する。また、第一線で活躍する映像クリエーターやUSC教員による映像や映画についての講義、映像の音楽・音響に関する講義など、一見ゲームと無関係に見える科目も受講した上で、年度後半から、やっとゲームコースに属して自分の作品制作に取り掛かる。しかし、制作途中には節目節目で講評会と呼ばれる中間発表会があり、そこでまたアニメーションの先生たちから厳しい意見を受けることになる。この作品のテーマは何?この表現の新しさ・面白さはどこ? 物語の展開は?等々..
東京藝大ゲームコース展は今年で6回目を迎え、学生作品の中には国際的に高い評価を受けた作品もある。特に「藝大のゲームは映像が美しい」、「ストーリーが面白い」などの感想をいただくことが多い。ゲームは文字通り総合芸術であり、プレイ体験やUI、プログラミングなど多くの要素から成り立っているものではあるが、中でも「映像」や「物語」は、クオリティを左右する重要な要素である。それらは、まさに映画やアニメーションのコアであり、同分野の教育・研究で徹底的に追求してきたものでもある。
現在、東京藝大では、映像研究科の新たな専攻として、ゲームコースを更に発展させた専攻の設置を計画中である。そこでもアニメーションや映画の視点から映像の豊かさや面白さに関する教育、アニメーションとゲームの二つの分野の融合した教育を引き継いでいきたいと考えている。 -
GAMES
GAMES
Thesis Projects
修了作品
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穴があったら入りたい
潘宇(修士2年)
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DISJOINTED
オウ シギ(修士2年)
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TOKYOバードウォッチング
王 憶雪(修士2年)
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あしたのさんぽ
鉄崎凌大(修士2年)
M1 Projects
1年次作品
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Sandbox
木村友輝(修士1年)
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腐敗の晩餐
康 雪凝(修士1年)
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はいいろ を つくろう
丹治奈美(修士1年)
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俯瞰風景
陳 寅(修士1年)
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谷根千ミッドナイト
坂根大悟(修士1年)
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Swing Song
河端望夢+恒吉優紀(修士1年)
Affiliated Projects
協力展示
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迷走の夜VR
みさはる(ゲームコース修士2年)
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あめのちくもりのちはれ
さいろめ(アニメーション専攻修士1年)
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DRIFTED ドリフテッド
フーチー(映画専攻修士1年)
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子どもたちの庭
宍倉志信(博士後期課程1年)
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私の沼
和田 淳
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HAPPY RUNNER
金井啓太
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Skill Hockey
金井啓太
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ゾウパス 〜ゾウだけが解けるパスコード〜
薄羽涼彌
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ゲーム制作演習 有志成果展示
薄羽 涼彌(講師)
受講有志学生
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吉見くんはゲームばっかり
ビューティーズ INFINITY
Tokyo Geidai×USC Collaboration Project
藝大×USC共同制作
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HelmetHeist
丹治奈美 (藝大)、陳寅 (藝大)、Xueqing “Nora” Liao (USC)、Miles Gonzales (USC)、Qingyi “Lisa” Liu (USC)
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シバスレイ
小野寺成月 (藝大)、康雪凝 (藝大)、Zhixuan Xiao (USC)、 Samuel Tang (USC)、Bernice Wang (USC)
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メガネ犬
木村友輝 (藝大)、坂根大悟 (藝大)、Jason Allen (USC)、Qianlin “Aria” Qin (USC)、Yicong “Alex” Wu (USC)
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UFO Farm
宍倉志信 (藝大)、恒吉優紀 (藝大)、Olivia Sooha Han (USC)、Peilin He (USC)、Tamia Chatmon (USC)
Event Outline
開催概要
- 会期
- 2025年3月22日(土)/23日(日)
- 開催時間
- 11:00~18:00 (最終日は17:00まで)
- 会場
- 東京藝術大学 上野キャンパス美術学部 総合工房棟 多目的ラウンジ・オープンアトリエ
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
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- 交通案内
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JR 上野駅(公園口)・鴬谷駅 下車徒歩10分 地下鉄 銀座線・日比谷線上野駅 下車徒歩15分
千代田線・根津駅 下車 徒歩約10分京成電鉄 京成上野駅 下車徒歩15分 都営バス 上26系統(亀戸←→上野公園)谷中バス停 下車徒歩約3分
- 入場料
- 無料(事前予約不要)
- 主催
- 東京藝術大学大学院映像研究科
- ※文部科学省「大学の世界展開力強化事業~米国等との大学間交流形成支援~」事業として実施
- 協力
- 南カリフォルニア大学映画芸術学部
株式会社スクウェア・エニックス
横浜市にぎわいスポーツ文化局
東京藝術大学アートDXプロジェクト
東京藝術大学 共創の場形成支援プログラム拠点
- 同時開催
- ART DX EXPO#2 東京藝術大学 芸術未来研究場アートDXプロジェクト / I LOVE YOU プロジェクト 2024 成果発表展
(上野キャンパス 音楽校舎 本部棟 1F / 大学会館 2F展示室 / アーツ&サイエンスラボ 1Fギャラリー・4Fホール)
2025年3月20[木] - 23[日] 入場無料
https://artdx.geidai.ac.jp/exhibition/02/
- クレジット
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- 東京藝術大学大学院映像研究科
- 桐山孝司 岡本美津子 牧奈歩美 江口麻子
薄羽涼彌 金井啓太 吉野範子 久保田勇 西川順子
- 東京藝術大学企画総務課国際戦略係
- 萩原優里
- 株式会社スクウェア・エニックス
- 時田貴司
- 南カリフォルニア大学映画芸術学部 University of Southern California School of Cinematic Arts
- アンドレアス・クラッキー Andreas Kratky ピーター・ブリンソン Peter Brinson
- 会場設営
- 松本祐一
- メインビジュアル
- 潘宇 オウシギ 王憶雪 みさはる(東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコース)
GEIDAI×USC
GEIDAI×USC
東京藝術大学大学院映像研究科 南カリフォルニア大学映画芸術学部
2023年度に文部科学省による「大学の世界展開力強化事業〜米国等との大学間交流形成支援〜」に採択され、STEAM教育を活用したメディア革新時代の国際的クリエイター育成を目指しています。本事業では、全米トップのゲーム教育機関を含むUSC映画芸術学部と本校双方のメディア教育水準を高めるために、学生・教員による様々な交流プログラムを実施します。
2018年度に採択された大学の世界展開力強化事業に引き続き、今年度で東京藝大×USC共同事業は7年目となります。昨年度採択された新事業ではUSC映画芸術学部に加え工学部との連携も開始し、テクノロジーによるイノベーションも目指しています。
今年度は、2024年12月に藝大生が渡米、ロサンゼルスにあるUSCを訪問し、双方の作品を発表・講評しました。また、藝大×USCの混合チームを編成し、コラボゲーム4作品を完成させました。2025年3月には再び藝大×USCによるワンデー共同制作、USCアンドレアス・クラッキー教授およびピーター・ブリンソン教授による藝大作品講評会を予定しています。
Messages from USC
USC からのメッセージ
GEIDAI × Industry
産学協同
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産業界からの教育への参加について
2019年度までは、学生一人につき一名のメンターをスクウェア・エニックス・グループより選出していただいていましたが、2020年度からは手法を変更し、一名のメンターに全学生のプロジェクトを総括的に見ていただく形をとりました。同年度からメンターを務めていただいている同社プロデューサーの時田貴司氏を、東京藝術大学特別教授としてお招きし、より密度の高い、多角的なアドバイスをいただいています。
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時田貴司 Takashi Tokita
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株式会社スクウェア・エニックス クリエイティブスタジオ5 プロデューサー
東京藝術大学特別教授
1984年から演劇活動のアルバイトとしてゲーム制作に参加。デザイナー、プランナー、ディレクターを経て現在はプロデューサーとして従事。
代表作はFINAL FANTASY Ⅳ、LIVE A LIVE、クロノ・トリガー、半熟英雄シリーズ、ナナシ ノ ゲエムなど。
『夢幻、そして無限の世界、芸夢。』
GEIDAI GAMESも今年で6年目を迎えましたね!
小学校でいえば卒業、巣立ちの年になりますが、この6年の間もデジタルクリエイティブの背景はAIの普及もあり、益々加速度的に拡張が進んでいます。
個人や小規模のインディーゲームも今や動画配信と同様、誰もが作品を制作し発表、多くの方に遊んでもらえる環境が当たり前の時代となりました。
ビジュアル、サウンド、思考、操作、リアクション。
その連鎖で作品世界を体感してもらうことこそがゲームの根幹ですが、どの要素を起点としてもゲームとして成立できる懐の深さが最大の魅力です。
様々な世界と出会い、手に取り、足を踏み入れ、無限に拡張する自由闊達なクリエイターの主張、価値観の世界である『芸夢』を体感してください。
私も新たな世界との邂逅を楽しみにしています! -
EVENT
イベント
Talk Event: "Creating Games in an Art University"
トークイベント「美術大学でゲームを作ること」
- 日時
- 3月22日(土) 18:00〜19:30
- 場所
- 藝大食樂部:東京芸術大学上野キャンパス(美術学部側)大学美術館内
- 登壇者
- ビューティーズINFINITY ゲームコース学生 薄羽涼彌(モデレーター)
本展覧会では、女子美術大学でゲームを制作しているゲストクリエイターをお呼びしてのトークイベントを開催します。東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコース学生と、女子美術大学のゲームクリエイターチームによる、それぞれの作品や活動、そして美術大学におけるゲーム制作について深掘りします。
Guest Profile
ゲストプロフィール
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- ビューティーズINFINITY
- 石原菜乃子
2002年、神奈川県生まれ。2025年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業予定。
大塚こむぎ
2002年、東京都生まれ。2025年女子美術大学芸術学部アート・デザイン表現学科メディア表現領域卒業予定。